2007 Jリーグ ディビジョン1 リーグ戦 第24節 vs川崎フロンターレ
2007.09.01(土)18:30キックオフ
 

 アントラーズが4-1でフロンターレを下して、ガンバ戦大敗(1-5)後の試合を勝利で飾った。30分に野沢がFKを直接決めて先制すると、7分後に小笠原がミドルシュートを決めて追加点。後半に入って58分にジュニーニョにゴールを決められて追い上げられたが、84分マルキーニョス、85分興梠と終盤に立て続けに得点して勝負を決めた。リーグ戦で4連敗していたフロンターレ相手の快勝で、アルディージャに敗れた首位レッズとの差が7に縮まった。

 序盤から勝ちたいという気持ちが強く出た。11分には果敢にオーバーラップした右サイドバックの内田が、ペナルティーエリア内で野沢のパスを受けシュートを放つなど、チーム全体で「前へ」「ゴールへ」という意識を強く押し出した。一方で、21分には前がかりの場面でボールを奪われ、中村→鄭とつながれマギヌンに強烈なシュートを放たれた。GKのいないゴールへのシュートを、岩政がスライディングでブロック。そのリバウンドがジュニーニョの前に転がって絶体絶命の場面となったが、シュートがゴール左へ外れて事なきを得た。

 カウンターのリスクを負いながらも前に出て行くアントラーズは30分、ゴール前21メートルの位置でFKのチャンスを得る。これを野沢が左上スミに決めて先制。37分には、小笠原がスーパーゴールを決める。岩政からのフィードボールが相手守備陣にクリアされると、その浮き球を拾って左足で狙う。距離にして約25メートルの位置から放たれたボールは、吸い込まれるようにゴールネットを揺らした。

 2-0として優位に立ったアントラーズだったが、直後に悲劇が襲う。前半終了直前、フロンターレのマギヌンのクロスに反応した鄭とファボンが交錯。この場面で鄭に乗られ、右足首を脱臼骨折したファボンは交代を余儀なくされた。

 後半開始とともに、ファボンに代わって大岩が投入されると、守備陣は相手の猛反撃を必死にしのいだ。54分の村上のシュートは曽ケ端が好セーブでしのいだ。だが、58分、誰もがアントラーズボールと思った相手陣内でのスローインをフロンターレボールと判定され、集中力を欠いているうちに一気にゴール前のジュニーニョにボールがわたる。ジュニーニョのキックフェイントで青木が交わされ、強烈なシュートを打たれてゴールを奪われた。

 1点差に縮まって一気に緊張感が増した試合の流れはフロンターレに傾いた。オズワルド・オリヴェイラ監督は中後を投入して中盤の守備の安定を図り、試合を落ち着かせようとしたが、77分には伊藤のクロスからマギヌンに強烈なボレーシュートを放たれる。曽ケ端が好セーブで防いだものの、厳しい時間帯となっていた。

 だが、84分、マルキーニョスが本山とのワンツーで3点目を挙げて試合を決定づけた。相手陣のやや左サイドに偏った位置でボールを持ったマルキーニョスは、中央に走り込んだ本山へパス。同時にDFラインの裏に走り込んだマルキーニョスが、本山からの縦のリターンパスをきれいに決めた。1分後には、カウンターから新井場→マルキーニョス→興梠とつないで完全にダメ押しとなる4点目が入った。

 シーズン序盤はフロンターレ、ガンバという開幕連戦に連敗して失速した。今回はガンバ→フロンターレという逆の順の連戦だったが、同じ轍は踏まなかった。レッズがホームでアルディージャに敗れるという追い風も吹き、首位との差は7。ガンバ戦大敗で消えたかと思われた優勝への希望の灯が、再び灯った。

 
会場:カシマサッカースタジアム・観衆:14,856人・天候:曇
鹿島アントラーズ vs 川崎フロンターレ
4 2 前半 0 1
2 後半 1
30分:野沢 拓也
37分:小笠原 満男
84分:マルキーニョス(本山 雅志)
85分:興梠 慎三(マルキーニョス)
得点
(アシスト)
58分:ジュニーニョ
28分:マルキーニョス
42分:青木 剛
71分:新井場 徹
警告 66分:伊藤 宏樹
  退場  
45分:IN:大岩 剛
    (OUT:ファボン)
62分:IN:中後 雅喜
    (OUT:野沢 拓也)
78分:IN:興梠 慎三
    (OUT:柳沢 敦)
交代 71分:IN:井川 祐輔
    (OUT:箕輪 義信)
71分:IN:黒津 勝
    (OUT:村上 和弘)
81分:IN:我那覇 和樹
    (OUT:谷口 博之)
スターティングメンバー
鹿島アントラーズ
曽ケ端 準 GK 21
内田 篤人 DF 2
岩政 大樹 DF 3
ファボン DF 5
新井場 徹 DF 7
青木 剛 MF 15
小笠原 満男 MF 40
本山 雅志 MF 10
野沢 拓也 MF 8
マルキーニョス FW 18
柳沢 敦 FW 13
 SUB
小澤 英明 GK 1
大岩 剛 DF 4
ダニーロ MF 11
増田 誓志 MF 14
中後 雅喜 MF 16
興梠 慎三 FW 17
佐々木 竜太 FW 34
 
川崎フロンターレ
川島 永嗣 GK 1
箕輪 義信 DF 5
寺田 周平 DF 13
伊藤 宏樹 DF 2
森 勇介 MF 19
中村 憲剛 MF 14
谷口 博之 MF 29
村上 和弘 MF 26
マギヌン MF 11
鄭 大世 FW 16
ジュニーニョ FW 10
 SUB
植草 裕樹 GK 22
佐原 秀樹 DF 3
井川 祐輔 DF 4
河村 崇大 MF 6
大橋 正博 MF 24
黒津 勝 FW 7
我那覇 和樹 FW 9
 
監督コメント
<ハーフタイム>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
・ディフェンス面はよく対応が出来ている。このまま続けよう。
・相手の背後のスペースをうまく使っていこう。
川崎フロンターレ:関塚隆監督
  ・攻守の切り換えを早く。
・落ちついてプレー精度を高く。
・立ち上がりの15分、集中、気持ちを切り替えて勝負しろ。
 
<試合終了>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
  今日の勝利はレフリーにささげたい。それは皆さんも見ての通りだと思う。
我々は目標を失わずに取り組むことが大事。
今日のフロンターレ戦まで短い時間であったが選手一人一人が高い意識を持って戦ってくれたことに感謝したい。努力をすれば必ず運も味方してくれる。
川崎フロンターレ:関塚隆監督
  タイトルを獲るためにも勝ち点が必要であり、勝って上位との差を縮めたかった。何としても今日の試合で主導権を取りたかったが、相手に主導権を握られて相手の試合の流れとなってしまった。
最後までしっかりとチームでベクトルを合わせて戦い続けることが大切。
9月からしっかりやり直してフロンターレらしいサッカーをしたい。
 

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