第87回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 5回戦 vsヴァンフォーレ甲府
2007.12.08(土)13:00キックオフ
 

 ヴァンフォーレ甲府に延長戦の末2-1で勝ち、8年連続のベスト8進出を決めた。28分に青木のクロスを田代が決めて先制。後半終了間際に同点に追いつかれ延長戦にもつれこんだが、109分にダニーロのクロスを柳沢が押し込んで勝敗が決まった。リーグ制覇後の一戦を何とかモノにし、11冠目へのスタートを切った。

 ダニーロからのクロスを、ファーポスト側で待ち受けた柳沢がヘッドで決める。途中出場の2人が生み出した決勝点で、アントラーズが準々決勝進出を決めた。踏ん張り続けた甲府の守備網を破った、後半終了間際の同点ゴールで漂う暗雲を吹き払った。

 序盤から前への強い気持ちを押し出してきた甲府に手を焼いた。J2降格となったものの、トライアングルを連続して作り、細かなパスをつなぐ大木監督のサッカーは選手とサポーターの心をとらえていた。その大木監督の退任が決まっているだけに、甲府イレブンのモチベーションは高かった。

 だが、地力で勝るアントラーズは攻められながらも効率的に挽回を図る。田代の空中戦、マルキーニョスの当たりの強さで前線に起点を作り、本山、野沢、小笠原が少ないタッチの早いボール回しでゴール前にボールを運んだ。このリズムに相手が慣れたところで、青木が意外性のある飛び出しを見せて右サイドでボールを持つと、マークが“かぶる”形で2人の甲府守備陣が青木についた。その分守備が薄くなった中央で田代が待ちうけ、マーク2人をかいくぐって上げた青木のクロスをヘディングで決めた。

 ただ、その後はゴールが生まれないまま時間が過ぎた。チャンスを決められないまま1-0で終わるかと思われたが、そこに落とし穴が待っていた。甲府の必死のラッシュを受けた89分、茂原のシュートがバーに当たり、跳ね返ったところを久野に決められた。勝ったと思ったところで、白星をつかみそこねた。

 これで再び目が覚めたのか、延長戦は終始アントラーズがペースを握った。延長戦のシュート数6-1が示すように、前へ出続け、109分に柳沢がゴールネットを揺らして勝負を決めた。リーグ戦制覇後のモチベーションの低下もなく、次なるタイトルへ歩みを進めた。

 
会場:カシマサッカースタジアム・観衆:6,558人・天候:曇
鹿島アントラーズ vs ヴァンフォーレ甲府
2 1 前半 0 1
0 後半 1
0 延前 0
1 延後 0
28分:田代 有三(青木 剛)
109分:柳沢 敦(ダニーロ)
得点
(アシスト)
89分:久野 純弥
31分:内田 篤人
112分:ダニーロ
警告 8分:秋本 倫孝
19分:茂原 岳人
42分:御厨 貴文
  退場  
79分:IN:柳沢 敦
    (OUT:田代 有三)
85分:IN:興梠 慎三
    (OUT:マルキーニョス)
87分:IN:ダニーロ
    (OUT:野沢 拓也)
交代 78分:IN:久野 純弥
    (OUT:石原 克哉)
82分:IN:木村 勝太
    (OUT:羽地 登志晃)
85分:IN:國吉 貴博
    (OUT:大西 容平)
スターティングメンバー
鹿島アントラーズ
曽ケ端 準 GK 21
内田 篤人 DF 2
岩政 大樹 DF 3
大岩 剛 DF 4
新井場 徹 DF 7
青木 剛 MF 15
小笠原 満男 MF 40
本山 雅志 MF 10
野沢 拓也 MF 8
マルキーニョス FW 18
田代 有三 FW 9
 SUB
小澤 英明 GK 1
石神 直哉 DF 22
大道 広幸 MF 30
ダニーロ MF 11
増田 誓志 MF 14
柳沢 敦 FW 13
興梠 慎三 FW 17
 
ヴァンフォーレ甲府
桜井 繁 GK 22
杉山 新 DF 32
池端 陽介 DF 19
秋本 倫孝 DF 2
御厨 貴文 DF 27
田森 大己 MF 13
大西 容平 MF 24
藤田 健 MF 10
石原 克哉 FW 7
羽地 登志晃 FW 18
茂原 岳人 FW 8
 SUB
鶴田 達也 GK 21
津田 琢磨 DF 3
奈須 伸也 MF 6
林 健太郎 MF 31
木村 勝太 FW 28
久野 純弥 FW 33
國吉 貴博 FW 37
 
監督コメント
<ハーフタイム>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
・相手のカウンターに注意すること。
・もう少しアプローチを早くし、相手にプレッシャーをかけよう。
・後半の入り方に注意し、集中して戦うように。
ヴァンフォーレ甲府:大木武監督
  ・あわてるな。落ち着け、最後まで11人でやること。
・互いに攻め合いだ。負けているゲームではない。
 
<試合終了>
鹿島アントラーズ:オズワルド・オリヴェイラ監督
  まずは相手の健闘を称えたい。今シーズンやった中で厳しい試合だったが、選手のこの天皇杯にかける強い気持ちを感じる。
今日はボールをゴールに入れることに精度を欠いてしまったということ。しっかり決めれば流れは変わっていた。120分、集中して注意して我々がやってきたサッカーを見せられたと思っている。
ヴァンフォーレ甲府:大木武監督
  最後は底力を見せつけられた試合だったが、ゲームは非常に良かった。彼らの成長もあったし、頑張りも見られた。残念ながら最後は負けてしまった。
シーズンは終わってしまったがここでくよくよすることなく選手たちには次のシーズンに向かって頑張ってほしい。
 

TOPへ戻る