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2020年09月26日(土)

FREAKS vol. 300(2020/9)より 〜今の時代を乗り越え、未来を創っていく〜

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今の時代を乗り越え、未来を創っていく

1995年の新創刊記念号を手に思わず笑顔を見せたジーコTD。
思い出話とともに、クラブに対する熱い言葉を聞かせてくれた。
ジーコTDの視線は常にアントラーズの未来に向けられている。

『フリークス』の300号を記念して、ジーコテクニカルディレクター(TD)に話を聞いた。
『フリークス』の新創刊当時の回想や、クラブが情報発信源となる媒体の存在価値について。また、これまで積み重ねた歴史と伝統を継承しながら、さらにアントラーズが強くなっていくための必要な要素について。そして、コロナ禍に求められるアントラーズの一員としての意識について。
本誌の節目を機に、アントラーズの過去、現在、未来に目を向ける。


クラブ情報の発信は
非常に有意義なことだった

──1995年の新創刊以来、今月で『フリークス』が300号を迎えました。第1号では、ジーコTDがインタビューのなかで語っていた「応援するチームの情報を知るということは、サポーターの持っている権利」という言葉が印象的でした。
「当時は、マスコミを通じてサポーターに情報を伝えることが一般的でしたし、クラブから発信する内容も、試合日程や練習スケジュール程度だったような気がします。そのなかで、一般の方が知ることのできないクラブの内側を発信していくことは、ファン・サポーターにとってはもちろん、クラブにとっても非常に有意義なことでした。今も昔も、多くの番記者さんがアントラーズの試合や練習の取材に来てくれますが、さすがにクラブの内部にまでは入れませんので、チームの状況や選手の素顔が見られるのは『フリークス』だけであり、その存在価値はとても高いと思います。もっとも、当時と今を比べると、メディアを取り巻く環境は様変わりしましたね。時代は進み、今ではクラブが独自に試合を撮影し、その模様を世の中に配信することだってできるんですから」

──時代や環境が急速に変わっていくなか、伝統を継承すること、取り組みを継続していくことの大切さや難しさについてはどのように考えていますか?
「ブラジルにはこのような言い回しがあります。『勝っているチームはいじらない』。今のやり方で勝ち続けているならば、その方法を手放す必要はなく、この先も継続していくことが重要だという考え方です。これは組織や個人の取り組みにも当てはまるのではないかと思います。確かに時代や価値観は変化していますし、テクノロジーの進歩なども目覚ましいものがあります。ただ、人間が物事で成功を手にする方法については、何年経とうが根本的な部分に変わりはありません。勝ちたい、成功したい、栄誉を手にしたいという思いを適切な形で行動に反映させるのです。時代がどれだけ変わったとしても、心のなかの欲をうまく引き出すことが、成功のきっかけを生み、継承や継続していくことのベースになると思うのです」

優れた環境を提供することで
チームのパフォーマンスが高まる

──『フリークス』が300号に達したように、アントラーズは着実に歩みを続け、来年にはクラブ創設30周年を迎えます。伝統や歴史を生かしながら、アントラーズがより強くなっていくために、必要なのはどのような部分だと考えていますか?
「優秀な人材の確保は欠かせません。ピッチ内だけでなく、ピッチ外においてもいかにプロフェッショナルな人材を集めることができるかどうか。これは以前からずっと意識してきた部分でもありますが、これから先においても重要なテーマになってくるでしょう。それと同時に、インフラの充実化も必須ですね。昔と比べると、サッカーは部門ごとにとても細分化され、数多くの専門家がチームに携わるようになりました。いろいろなプロフェッショナルがかかわることで、クラブハウスや練習場、スタジアムにはさまざまな用具やテクノロジーが必要になっています。正直なところ、現在のアントラーズの施設や設備は最先端とはいえません。今抱えている優秀な人材がより高い能力を発揮できるような環境を作るべきであり、クラブとして早急に手をつけなければならないと思っています」

──フットボールを取り巻く環境が移り変わることで、クラブに求められる要素も変化しつつあります。
「その一つがインフラの充実化だと思うのです。以前であれば、監督、フィジカルコーチ、GKコーチなどで構成されていたスタッフ陣に、今ではアシスタントが増えたり、フィジオセラピスト、マッサーやトレーナー、選手の疲労具合を管理するスタッフも絡んできており、それぞれの役割に合った設備が欠かせません。間もなく30周年というクラブの歴史において、確かにアントラーズは多くの試合で勝利を収めてきましたし、多くの選手にとって魅力的な環境だったのではないかと思います。ただ、今のままでは、将来的に優秀な人材の獲得に苦戦するケースが出てくる可能性もあるのではないかと思っています。特に若い選手は最先端の環境を求めますし、チームを選択するうえで迷ったときは、当然最新のテクノロジーがそろっているほうを選ぶでしょう。そういった点においても、インフラの整備は必要不可欠なのです」

──インフラを充実させることが、チームの強化につながっていくのですね。
「ブラジルでサッカー解説者を務めていたころ、R・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマンといったビッグクラブの施設を訪問しました。やはり優れた環境を選手やスタッフに提供することによって、チーム全体のパフォーマンスが高まります。選手にとってみれば、クラブハウスで空腹を感じたときに軽食をとれることや、練習後の適切なタイミングで栄養を摂取できることは、コンディションの維持や疲労の軽減につながります。リカバリーやリハビリという面においては、普通のお風呂、水風呂、プールなども必要です。それぞれ小さなことかもしれませんが、細部にわたって環境が整備されることで、よりよいパフォーマンスや成績につながるのではないかと思います」

「戦う気持ち」がなければ
何も成し遂げることはできない

──新たなサッカースタイルを導入した今シーズンのアントラーズの戦いぶりは、ジーコTDの目にどのように映っていますか?
「ブラジルに帰国していた時期もクラブから情報をもらっていました。そのため、中断期間に選手が自宅で取り組むメニュー、人数制限を設けてのトレーニング、全体練習や練習試合への移行など、各フェーズにおける詳細は把握していたつもりです。もちろん、練習試合や公式戦再開後の映像もチェックしていましたよ。序盤は結果が出ないという状況のなか、チーム全体に自信の欠如が見受けられました。選手たちも人間ですから、やはり結果が出ない時期は自信が欠けてしまうのは致し方ない部分があります。とはいえ、選手たちが新たに取り組むサッカースタイルを吸収しようと一生懸命努力している部分も強く感じていました」

──ザーゴ監督とはどのようなコミュニケーションをとっているのでしょうか?
「選手個々について、チームや組織について、練習や試合について、日本の文化についてなど、さまざまなことを話していますよ。他にも、本人に迷いが生じたときは相談に乗ります。ただ、現場における責任者や決定権の持ち主は監督です。だから、私から『ああしたほうがいい』『こうしたほうがいい』とアプローチするようなことは一切ありません。私自身も監督経験がありますが、私はいろいろと口出しをされるのが好きではなかったのです。そのため、私はあくまで相談を受けるというスタンスで、監督に対する敬意や尊重の気持ちをしっかり持って接しています」

──今シーズンのアントラーズは、ザーゴ監督をはじめとしたスタッフや選手が大きく入れ替わりました。
「チーム作りを進めていくなかで、首脳陣の変更、10名以上の選手の入れ替えという部分は考慮すべきだと思っていました。選手10名以上というのはサッカーチームにおいてかなりの人数ですので、今シーズンから加入した選手たちがアントラーズという組織になじむまでに時間が必要でした。また、ブラジル人スタッフの場合はクラブだけでなく、日本という国や文化にも慣れなければならず、そのあたりがチームに影響を与える可能性は頭のなかにありました。もっとも、たとえそういった状況にあっても、サッカーをするうえで根本となる部分は変わりません。攻撃的なサッカー、守備的なサッカー、どのようなスタイルであっても、サッカー選手である以上、『闘争心』『最後まであきらめない』という部分を前面に押し出してプレーしなければなりません。それは志向する戦術やスタイルを語る以前の問題なのです。『戦う気持ち』が準備できていなければ何も成し遂げることはできませんし、チームに合流してからはこの部分を選手たちに強く伝えました」

──「戦う気持ち」が試合の内容や結果に結びつくのですね。
「練習中の選手たちは、本当に一生懸命に一つひとつのメニューをこなしています。トレーニングで学んだことを試合で表現しようという意欲も見受けられます。ただ、サッカーというスポーツは、テクニックが優れている、フィジカルが強い、戦術理解度が高いというだけでは勝利を手にすることはできません。やはり、選手個々が持つ情熱が、試合の行方に大きな影響を与えます。『絶対に勝つ!』『何が何でも勝利する!』という熱い気持ちやハートの強さがなければ、試合で勝つことは難しいのです。逆に、情熱をピッチ上で表現することで、それぞれのテクニックやフィジカル、戦術理解度のレベルが一段と高まるので、選手たちにはいま一度そういった意識を持って、練習や試合に取り組んでもらいたいと思います」

新たなクラブのあり方を
全員が理解する必要がある

──今なお、世界各地で新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
「何よりも特効薬がいち早く必要な状況ですよね。ただ、さまざまな情報を精査していくと、何がこのウイルスに効くのかという部分がまだ解明できておらず、この先も非常に難しい闘いが続いていくのではないかと思っています。特効薬が開発されるまでは、感染しないような対策や生活様式が各自に求められますから、従来の日常生活との違いに不安を感じている方も少なくないでしょう。まずは健康でいられるようにそれぞれが努力し、感染を広めないことを意識する必要がありますね」

──サッカー界の未来にも大きな影響を与えることになりそうです。
「サッカーだけでなく、その他のすべての活動においても、おそらく新型コロナウイルスは影響をおよぼすでしょう。特に経営の部分からは目を逸らすことができません。試合やチームの活動に制限がかかることで露出度が低下しますから、スポンサー収入の減額という流れも当然のように出てきます。海外のビッグクラブでも同様の現象が起きているのではないかと思います」

──クラブの経営に直結する部分です。
「スポンサー各社の業績も厳しいでしょうから、クラブへの投資額も減ってきます。スタジアムの収容人数にも制限があり、入場料収入も例年より低下しています。必然的にクラブ自体の収益が伸び悩むことで、選手もスタッフも多くの面でこれまでとは異なる環境に身を置くことになるでしょう。クラブにかかわる誰もがそのような時代であることを認識し、将来に向けてみんなで力を合わせ、そして今を受け入れながら乗り越えていかなければなりません。コロナ禍における新たなクラブのあり方を全員が理解する必要がありますね」

──アントラーズにとっては、より組織力が問われる時代に突入していきますね。
「時代がどれだけ変わっても、組織のなかで個人の利益が優先されてしまうと、その組織が崩れてしまうことは歴史が証明しています。お互いの空間や権限、人間性を尊重し、それぞれの役割を大切にしなければなりません。これまでサッカー界でタイトルを獲得してきたチームでは、選手一人ひとりがいかにチームのために力を発揮するかということを考えてプレーしてきました。『俺が得点王に!』『俺がアシスト王に!』ということばかり考えている選手がいると、組織としては成立しません。自分の能力をどのようにチームに還元するかを考えなければならないのです。特にコロナ禍という特殊な環境においては、選手もスタッフもアントラーズという組織のためにまい進しなければいけません。それぞれが自分の専門分野で忠実に、そして最大限に力を発揮すること。これが今の時代を乗り越え、未来のアントラーズを創っていくことにつながっているのです」

MESSAGE
オメデトウ! フリークス300!
(1995年の新創刊特別記念号を見ながら)いい記事がたくさん載っていますね。私のインタビューもありますし、写真を見ると若くて格好いいでしょう?(笑) 他にも里内さんの記事、長年通訳を務めてくれた鈴木國弘さんの記事などがあり、いろいろな切り口でアントラーズの情報をファン・サポーターの皆さんに届けてきたのがこの『フリークス』です。編集や制作にかかわるのはアントラーズの関係者なので、クラブのバックステージの状況や情報を開示するというのが大きなポイントですね。ファン・サポーターはそれを見てチームや選手に興味を持つことができますし、情報発信源となる媒体をクラブが独自に持つことはとても大切なことでしたし、今もその存在価値は非常に高いものがあると思っています。

その『フリークス』も300号ということで、かかわってきたすべての方々に祝福の言葉を贈りたいと思います。

オメデトウ! フリークス300!

これほどの号数を積み重ねるのはとても困難なことだったと思いますが、これを機に、次は600号を目指して頑張ってほしいと思います。

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